top of page
執筆者の写真Saori Ushijima

発達性トラウマとカウンセリング


トラウマには、「一度(および短い期間)、とても強いストレスを受けた」トラウマと、

虐待などに代表される「長い期間にわたって受けたストレス」によるトラウマの

2種類があります。

後者は、脳の発達に大きな影響を及ぼし、

その後のその人の認知(物事をどうとらえるか)や、人生観、その他の能力に

関わり続けているため、「発達性トラウマ」と呼ばれることがあります。


私は、この発達性トラウマの援助にとても大きな関心を持っています。


ADHD様の落ち着きのなさ、刺激(的な人生)への依存性

絶え間なく襲うフラッシュバック

他人への不信感、もしくは他人への強い親密欲求

それらが影響しあい、仕事が続けられない、社会生活が円滑に送れない。


そんな重篤な症状だけではありません。


むなしさ、悲しい気持ち。

普通の社会人の仮面をかぶって暮らしているような違和感。

人に話すまでもないけど引っかかっている罪悪感、性的問題、

わがままのように思われるかもしれない、子どもを愛せない気持ち。


私はこの発達性トラウマに、DVも入ると思っています。


親や相手を恨んでいいといわれても恨み切れない、

かといって自分のせいだけにしても気持ちは晴れない。


あてはまる方々は、今までいろんな方法を試したり、本を読んだりしたのではないでしょうか。

どうにかしたくて。この人生を。


少し検索してみれば、トラウマへのアプローチは山のようにあります。

EMDR、

タッピング、

瞑想、

ヨガや数々のボディワーク、

スピリチュアル。


私のカウンセリングでは、技術に関して

「これができますよ!」「これが専門ですよ!」

と言いづらいなあと思っています。

もちろん上に書いたもの、だいたいどれも勉強しています。

もちろん、それ以外にもたくさんたくさん、役に立つ方法はあるんです。


でもね、発達性トラウマの人にとって必要なのは、方法ではない気がしています。

(だからといって何も技術を使いません、ということではないですが。)


トラウマの人って、方法を知っちゃうと、その方法を使って「自分で治そう」としちゃうんです。

どうにか、自分一人で、ひっそりと、立ち直ろうとしちゃう。

ネットや本で知らべた情報を駆使して、自分を癒そうと頑張っちゃう。


それもすごいことなんですけど、私は言いたいんです。

一緒に生きようって。


トラウマの人に必要なのは、決して否定されないこと。

がんばらないこと。がんばっている自分を認めてあげること。

聞いただけでゾッとしますよね(笑)、そのくらい、この優しい感覚にトラウマの人は慣れていないんです。怖いんです。


いいじゃないですか、最初はお金を払って専門家に診てもらっても。

どうせ、友人やパートナーにその安心は広がっていくのだから。




「こうしたら治りますよ」ではなくて、「どうしたら治るんだろうねぇ」と一緒に考えたい。

自分の知っていることを一緒にいろいろ試してみて、

その人だけのセラピーを完成させたい。


本当は、開業のカウンセリングルームでは「こんなことができます!」という

”ウリ”になるものが必要なのだけど、

私はなんか気が進まなくて、ぼんやりとそんなことを思っています。


一緒に、生きていこう。

もちろん、トラウマの症状が治って、人生が変わって、

カウンセリングが必要なくなって通わなくなっても、

心の中で一緒に生きていくことには変わりありません。

それがSPIRO SPEROの隠れたコンセプトです。


閲覧数:58回0件のコメント

Comments


bottom of page